2025 年 68 巻 6 号 p. 259-267
廃プラスチックを化学原料にケミカルリサイクルするために,炭化水素溶媒中でのベータゼオライトによるポリプロピレン(PP)の触媒分解を行った。石油精製におけるLight Gas Oil(LGO)とLight Cycle Oil(LCO)を溶媒として使用した。LGOに含まれる塩基性化合物を除去して溶媒として使用したところ,PPの転化率は50.9 %から97.0 %に大幅に増加した。一方,塩基性化合物を除去した後でも,LCO中のPPの転化率は低いままであった。LCOに多く含まれる芳香族のPP分解への影響を評価するために,モデル溶媒であるn-ヘキサデカン,1-メチルナフタレン,テトラリンで分解テストを行った。その結果,溶媒中の芳香族化合物がPPの転化率を低下させることが分かった。石油系溶媒をPPのケミカルリサイクルに使用する場合,塩基性化合物の除去が必要であり,またLGOなどの飽和炭化水素含有量の高い溶媒が適していることを明らかにした。