抄録
石油類の接触分解装置から排出されるフェノール類含有廃水処理に使用した活性炭を, 50mmφ流動床炉によって回分式高温再生した。使用した活性炭は石炭を原料として製造された市販品である。
窒素気流中における使用済活性炭の熱分析の結果, 使用済活性炭は水分の他に15%程度の熱分解性吸着質を吸着していることがわかった。熱処理 (窒素ふん囲気下, 700°C) によるメチレンブルー吸着力の回復は, 新炭の値に対し約70%であった (Fig. 1)。
流動床による工業的再生を想定して, 使用済活性炭を800°Cに急熱して分解生成物の組成を調べた。活性炭上のフェノール類は, 加熱によって約20%が脱離し他は分解もしくは活性炭上に炭化沈積すると思われた。分解ガスの主成分は水素, 一酸化炭素, メタン等であり, 炭素数2以上の炭化水素は少なかった。それらの分解ガス組成から, 水分を多量に含有する使用済活性炭を急熱すると, 水性ガス反応も同時に起こることが認められた (Table 2)。
水蒸気による高温再生によって, 比表面積, メチレンブルー吸着力などの活性炭の基礎的な性状はほぼ完全に回復された。廃水処理によって吸着された無機化合物もしくは硫黄化合物に基づく活性炭上の灰分および硫黄分は, 再生によって除去することは困難でありある程度蓄積するものと思われた (Table 3)。
再生炭のかさ密度と比表面積およびメチレンブルー吸着力とはほぼ直線関係にあることが認められ, 再生炭の性状はそのかさ密度から推定され得ると思われた (Fig. 7)。
再生による活性炭粒子の粒径減少が認められたが, 微粉化にまでは至らなかった (Fig. 8)。
水蒸気による800°C, 10分間の再生によって92.3wt%の収率で得られた再生炭の比表面積はほぼ100%回復していたが, メチレンブルー吸着力は約90%の回復を認めたに過ぎなかった。しかしながら, 廃水中のフェノール類に対する吸着等温線および吸着速度を測定したところ, 実質的にほぼ完全に吸着能力を回復していることが認められた (Figs. 9, 10)。