1982 年 25 巻 6 号 p. 371-375
含硫黄球状炭素粒子 (直径90-140μm) 上に炭素繊維を密生させてウニ状炭素とするためのプロピレンの熱分解条件を検討した。最適条件は, 温度975-1,000°C, 濃度25-37.5% (水素中), 反応時間60分以上であった。この条件で, 直径3.5-5μm長さ80-150μmの繊維が250-1,000本/粒子の生成密度で粒子上に放射状に生成した。これより低温では直径1μm以下の曲がりくねった微細な繊維が, 一方高温ではフィルム状やすす状炭素の生成が優先した。繊維生成状況はプロピレン濃度にも依存し, 濃度増加とともに繊維は太くなり, かつ生成密度は減少し, 50%以上では繊維は生成しなかった。