2023 年 68 巻 2 号 p. 53-58
近年のAI研究の発展はめざましく,保健医療分野においてもその応用が期待されている。一方で,AIを利用した医療システムには,可塑性,ブラックボックス性,説明可能性が求められること,倫理・責任の問題など,さまざまな検討課題が残されている。保健医療の現場は正解のない難しい課題が多く,それらを多面的・包括的に考え,できる限り本人にとって望ましい解決法を探るのは人間の役割である。あくまで人間中心の社会でAIと共生していくうえでは,AIシステムを利用する保健医療従事者のみならず,医療サービスを受ける国民側のAIリテラシーの向上も重要な課題であり,教育や普及啓発活動を進めていく必要がある。