薬学図書館
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図書館業務を受託する企業からの視点
難波 朝子
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2008 年 53 巻 4 号 p. 309-315

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抄録

図書館の委託業務について, 受託企業としての実績と経験からの意見を述べた。本稿は「受託する業者の視点」「実際に受託業務を統括するリーダー」としての2つの視点が合わさったものである。図書館の運営委託は, 地域を問わず広がっているが, 現実には, 派遣と委託の違いが明確に理解されている場合が少ないように思われる。また, 実際の受託をする際に, 委託内容・仕様詳細がわかりにくく, いざ運営業務を受託してみると, 業務範囲や業務の種類が膨大にふくらんでしまうのも事実である。(株)AGREXは民間の受託業務の知識と経験から, 組織体制づくりと, 運営に関わる人材に求められるスキルを定めて業務を遂行している。特に, 図書館の業務を深く理解して, 目標を定めて実現するためには, テクニカルスキルとマネジメントスキル, 共に高スキルの人材が求められ, ヒューマンリソースが成功の鍵となり得る。実際に運営業務を行ってみると, コストと仕様内容がうまく一致しないようにも思われる。受託業務の主たるメリットに「コスト戦略」をうたわれることも多いが, 業務を外注化される際には, コストメリットが単純な人件費から生まれる場合と, 業務の効率化・適正化を行い, 利用評価などを分析していただいた上で生まれる場合があることを理解していただきたく思っている。業者の一方的な視点かもしれないが, 多くの受託業者, あるいは運営スタッフが悩ましい問題を抱えていることもご理解いただきたい。

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