日本泌尿器科学会雑誌
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症例報告
膀胱Plasmacytoid Carcinomaの1例
河嶋 厚成氏家 剛任 幹夫西村 健作三好 進
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キーワード: 膀胱, plasmacytoid carcinoma
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2009 年 100 巻 5 号 p. 590-594

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抄録
我々は膀胱Plasmacytoid Carcinomaの1例を経験した.患者は頻尿を主訴とする79歳男性であり, 各種検査にて膀胱内に広範囲に存在する浸潤性膀胱腫瘍を認めた.TUR-BTを施行し, 病理組織において筋層および粘膜固有層内に浸潤する小型の腫瘍細胞のびまん性増殖を認めたため, 浸潤性膀胱癌の診断にて膀胱全摘除術を施行した.右閉鎖リンパ節転移を認めたことから, M-VAC療法を2コース施行.11カ月経過した現在再発を認めていない.腫瘍細胞は, 円形小型, 豊富な好酸性の細胞質および核の偏移といった形質細胞腫に類似した組織形態を特徴としており, 免疫染色にて上皮系マーカーに濃染したことから膀胱Plasmacytoid Carcinomaと診断し得た.過去の報告から通常の尿路上皮癌と異なり, 有転移症例に対しても抗がん剤の高い効果が得られる場合もあり, 積極的な治療の必要性が示唆された.
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© 2009 一般社団法人 日本泌尿器科学会
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