日本泌尿器科学会雑誌
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原著
去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対するドセタキセル(DOC)療法後にアビラテロンとエンザルタミド両薬剤を逐次療法で使用した症例の臨床的検討
宮前 公一木谷 公亮原 一正中熊 健介濱田 真輔濱田 泰之
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2017 年 108 巻 2 号 p. 74-79

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抄録

(目的)当院におけるCRPCに対するドセタキセル(DOC)療法後の逐次療法で新規ホルモン薬2剤を使用した症例での治療効果,安全性を検討した.

(対象と方法)当院でCRPCに対してドセタキセル(DOC)療法後にアビラテロンとエンザルタミドの2剤にて逐次療法を施行した21例を対象とした.主要評価項目は先行投与した薬剤と比較したPSA奏功(50%以上低下)率,副次的評価項目は奏効期間,全生存率および有害事象について検討した.

(結果)エンザルタミド先行投与(E群)が12例,アビラテロン先行投与(A群)が9例.大半でDOC療法直後に新規ホルモン薬を使用していた.PSA奏功率はA群1例(11%),E群1例(9%)と有意差は認めず,不良な結果であった.全生存率で有意差は認めなかった.有害事象で変更を必要とした症例はエンザルタミド2例,アビラテロン1例であった.

(結語)CRPCに対するドセタキセル療法後のアビラテロンとエンザルタミドの逐次療法におけるPSA奏功率および奏効期間は両薬剤の処方順にかかわらず治療効果は不良であった.

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© 2017 一般社団法人 日本泌尿器科学会
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