1988 年 79 巻 6 号 p. 1070-1077
Endourethral submucosal teflon injection を8例 (9歳~74歳, 平均年齢41歳) に施行した (経過観察期間4カ月~4年9カ月, 平均2年). TURP術後の尿失禁3例のうち2例はテフロン注入後失禁が消失し, 1例は改善をみた. 脊椎破裂による尿失禁3例では, 女性の1例に間欠自己導尿下に失禁をきたすことはなくなったが, 男性2例では効果がみられなかった. 腰椎手術後の尿失禁例では, 失禁が消失した. 尿道上裂の1例では失禁は改善されなかった. テフロン注入術は手術手技が容易で, 侵襲も少ないのが利点である. 手術成績および合併症について文献的に考察し, この術式における問題点について検討した.