1991 年 82 巻 5 号 p. 750-757
外傷性膜様部尿道断裂8例および球部尿道断裂2例の尿道完全閉塞例に対し, 内視鏡および透視下に経会陰的あるいは経尿道的に遠位尿道より近位尿道端に穿刺針を刺入する腔内穿刺を行い, ガイドワイヤーを膀胱, 膀胱瘻へと導き, 拡張バルンカテーテルによる尿道拡張, 直視下内尿道切開および瘢痕切除術を試みた. 近位尿道端への穿刺が不可能であった1例を除き, 9例は術後, 自排尿可能となった. 成功例のうち, 3例に軽度の尿失禁を認めるものの, 本法は外傷性尿道断裂による尿道完全閉塞例に対し, 簡便かつ安全な内視鏡的尿道再建術と考えられた.