日本泌尿器科学会雑誌
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ヒト前立腺肥大症腺腫のα受容体に対する各種のα1-blocker の効果の比較検討
森田 隆近藤 俊
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1992 年 83 巻 3 号 p. 334-337

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抄録

6名の前立腺肥大症患者から摘出した前立腺腫において3H-prozosin と3H-yohimbine を用いた飽和結合実験によりα1, α2-receptor を定量した. 肥大前立腺腫にはα1-receptor だけでなくα2-receptor も相当量含まれていることが判明した. 肥大前立腺腫と3H-prozosin, 3H-yohimbine の binding に対する選択的α1-blocker の抑制効果を調べた. α1-blocker としての効果は prazosin>bunazosin>alfuzosin>urapidil>terazoin の順に強く, α2-blocker としての効果は urapidil>alfuzosin>terazosin>bunazosin>prazosin であった. これまで前立腺肥大症に非選択性のα1-blocker である phenoxybenzamine が有効であるとの報告があるが, 本実験結果は urapidil, alfuzosin および terazosin は phenoxybenzamine のように使用できる可能性を示している.

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