日本泌尿器科学会雑誌
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臍にストーマを形成した Mainz pouch の経験
森 義則島 博基井原 英有藪元 秀典生駒 文彦
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1992 年 83 巻 3 号 p. 383-389

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抄録

1986年から1991年までの間に兵庫医科大学泌尿器科において23例の浸潤性膀胱癌患者に対して自己導尿型の Mainz pouch 尿路変向術を施行したが, そのうち12例に臍ストーマを形成した. ストーマ脚として10例で回腸を, 2例で虫垂を用い, 漏斗状になっている臍の底部の皮膚と腹壁筋膜を別々に円く切り取り, 腹壁筋膜の孔を通してストーマ脚を通し, 皮膚とストーマ縁を縫合した. 回腸のストーマ脚が太すぎる時には plication を行い細くした. 治療成績は満足すべきものであり, 臍ストーマの利点としては以下の諸点がある.
1) 外観上, ストーマが目立ちにくく body image が良い.
2) Marlex collar のような異物を使ってストーマ脚を筋膜に固定する必要がない.
3) 導尿径路の屈曲が少なく自己導尿を行いやすい.
4) 傍ストーマ・ヘルニアや nipple valve の prolapse のような合併症がおこりにくい.

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