1993 年 84 巻 7 号 p. 1275-1280
過去5年間に出生前超音波検査により異常を指摘され, 当科または当院産科を受診した腎尿路奇形12例に臨床的検討を加えた. 12例中11例はルーチンの超音波検査であった. 羊水減少は1例に認められたが, 子宮内治療は行われなかった. 出生後治療は1例を除く全例に施行し, うち8例に開腹手術を施行した. また尿ドレナージとしての経皮的腎瘻造設術 (PNS) を6例7腎に施行したが, DMSA腎摂取率による検討では, 新生児期または乳児期の一時的PNSは腎機能保存に有効であると思われた.