日本泌尿器科学会雑誌
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体外衝撃波結石破砕術 (ESWL) 単独療法後の腎瘢痕形成に関与する臨床的因子の検討
石戸 則孝高本 均国富 公人佐藤 英一石井 亜矢乃塩塚 洋一佐古 真一太田 直樹荒木 徹
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2002 年 93 巻 7 号 p. 750-757

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抄録

(目的) 腎結石に対するピエゾ型ESWL (EDAP社製LT-01,02) 単独療法後, 腎臓超音波検査 (US) などにて認めた腎瘢痕形成と関連が深い要因を検討した.
(対象と方法) 1986年12月から1998年11月までの12年間にESWLを施行した腎杯結石症例257症例, 285腎を対象として検討を行なった.
(結果) ESWL終了後14ヵ月から141ヵ月(中央値56ヵ月) 目に, 44腎において, 衝撃波入射部位に局所的腎瘢痕形成を認めた. カプランマイヤー法による単変量解析にて, 腎瘢痕形成と腎に対するESWL総発数および高尿酸血症合併との間に有意な関係が認められた. Cox比例ハッザード回帰分析による多変量解析の結果, ESWL総発数10,000発以上, および高尿酸血症合併のハッザード比は, いずれも2であり, この2つの要因が腎瘢痕形成へ影響を及ぼすと考えられた.
(結論) 腎杯結石患者に対するESWL後の腎瘢痕予防のため, ESWL総発数を抑えるとともに, ESWLを行った患者のうち高尿酸血症合併例に対しては, 腎瘢痕形成の有無に関して, 定期的かつ入念な追跡の必要性が示唆された.

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