日本泌尿器科学会雑誌
Online ISSN : 1884-7110
Print ISSN : 0021-5287
ISSN-L : 0021-5287
前立腺癌のアンドロゲン除去療法におけるビスフォスフォネートの臨床的意義
リセドロネートの検討
木村 将貴佐藤 威文岡崎 美代子田畑 健一坪井 俊樹兵藤 透横山 英二松本 和将宋 成浩岩村 正嗣早川 和重馬場 志郎
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 99 巻 1 号 p. 22-28

詳細
抄録

(目的) 前立腺癌に対するアンドロゲン除去療法に伴う骨密度の減少に対するリセドロネートの有用性について, prospective に検討を行った.
(対象と方法) 2004年4月より2005年12月にGnRHアゴニスト投与を含めた内分泌療法を開始したホルモンナイーブ前立腺癌症例69例 (リセドロネート2.5mg/day服用群58例, コントロール群11例) を対象とした. 治療開始前に骨密度, ならびに尿中NTXを測定し, 以後6ヵ月毎に測定・フォローアップを行った.
(結果) ベースラインにおける両群の腰椎と大腿骨頸部の骨密度に有意差は認めなかった. 骨密度に関しては, 6ヵ月後の時点で腰椎 (p=0.002) と大腿骨頸部 (p=0.030) において, 12ヵ月後の時点で腰椎 (p=0.038) において, リセドロネート群がコントロール群と比較してベースラインからの骨密度変化率 (%) が有意に低かった. 尿中NTXに関しては, 12ヵ月後の時点でリセドロネート群がコントロール群と比較してベースラインからの尿中NTX変化率 (%) が有意に低かった (p=0.017).
(結論) アンドロゲン除去療法においては, すでに加療後6ヵ月の時点で骨量は減少を呈してきている事が確認された. 同病態に対して骨塩量減少の予防および維持のため, 急性期からのリセドロネート内服が短期的には有用であることが確認された.

著者関連情報
© 社団法人 日本泌尿器科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top