視覚の科学
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原著
コンタクトレンズ装用者のコントラスト視力
勝海 修須藤 真矢上野 恵美荻嶋 優伊藤 純子宮永 嘉隆井上 治郎
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2008 年 29 巻 2 号 p. 67-74

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抄録

目的:コンタクトレンズ(CL)装用者において,異なったコントラスト視標を使用してコントラスト視力を測定し,各種CL装用者と非装用者の結果を比較検討する。

方法:コントラスト視力測定の対象は15~51歳(平均年齢24.8歳)のCL装用者85名(男性27名,女性58名)である。CLの種類は1日使い捨てタイプ16名,2週間頻回交換タイプ23名,通常ソフトCL(SCL)24名,酸素透過性ハードCL 22名であった。健常者群としてCL非装用者15名(25~40歳,平均年齢28.0歳)も視力を測定した。コントラスト視力はWangおよびKatsumiにより開発されたW-Kマルチコントラストチャートを使用した。使用されたコントラストは90%,15%,5%および90%逆位相のコントラスト視標である。コントラスト視力は正解答数の合計であらわした。

結果:健常者群ではコントラスト視力は平均78.6ポイントであった。CL装用群では2週間頻回交換タイプSCL装用群(70.6ポイント)が他の3群と比較して(73.1~73.5ポイント)低い値を示した。統計学的には有意ではないが,コントラスト視力は1日の装用時間が長いと低下する傾向がみられた。

結論:CLを安全に使用する目的でコントラスト視力を測定することは,角膜の状態を正確に把握する上で有用であると考えた。

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© 2008 日本眼光学学会
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