2008 年 29 巻 2 号 p. 64-66
目的:前眼部測定装置には様々な測定原理による機器があるが,近年登場した光学式測定の前眼部測定装置VisanteTM(Carl Zeiss Meditec)を用いて正常眼での中心角膜厚(CCT),前房深度(ACD)の測定精度について検討した。
方法:対象は屈折異常以外の眼疾患を認めない12例24眼(平均年齢31.0±4.3歳(23~37歳))に対し,VisanteTMおよびOrbscan®Ⅱz(Bausch&Lomb)を用いて,各眼をそれぞれの機器で5回ずつ測定し,CCT,ACDについて比較した。
結果:VisanteTMの測定値はCCTが524.6±1.9μm,ACDが3.625±0.02mm,Orbscan®Ⅱzの測定値はCCTが553.5±5.3μm,ACDが3.562±0.03mmであり,両測定機器は高い相関を示したが,測定値には有意差を認めた。
結論:VisanteTMはOrbscan®Ⅱzとの測定相関性を認め,前眼部の生体計測において有用な検査機器となり得ると考えられる。