視覚の科学
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原著
色と輝度のコントラスト検出感度に及ぼす視覚的注意の効果
内川 惠二沖山 夏子
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2010 年 31 巻 3 号 p. 114-119

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抄録

視覚的注意が視覚情報の高次レベル処理を促進したり抑制したりすることは,これまでの研究で示されている。しかし,視覚的注意が視覚系初期レベル処理を調整しているかどうかはまだ不明である。そこで,本研究は,視覚的注意が視覚系初期レベルにあるとされている色と輝度チャンネルに別々に影響を与えるかどうかを明らかにすることを目的とした。実験では,色と輝度応答のコントラスト検出感度を中心刺激と周辺刺激の二重課題を用いて測定し,色と輝度チャンネルのコントラスト感度が中心課題優先条件と周辺課題優先条件間で異なるかどうかをみた。その結果,視覚的注意によって中心刺激に対する色と輝度チャンネルのコントラスト感度が増大することは明らかとなったが,両コントラスト感度は異なった優先条件間で同じように変化することがわかった。本研究では視覚的注意が色と輝度チャンネルに別々に影響を与えるかどうかを明らかにするに足る十分な結果は得られなかったが,今後,視覚系の初期過程への注意の効果を調べるためには,刺激呈示の時間条件を考慮する必要があることが示唆された。

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© 2010 日本眼光学学会
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