視覚の科学
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原著
交照法による日本人の黄斑色素濃度分布の測定
山内 泰樹早坂 孝志
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2011 年 32 巻 4 号 p. 95-101

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抄録

色知覚の個人差を生み出す要因の一つとして,眼球に入射した光が網膜上の光受容体に到達する前に吸収される黄斑色素濃度の個人差の影響が考えられる。その影響を検証するためには,黄斑色素濃度が既知の被験者を用いて色知覚実験を行う必要がある。本研究では,交照法を用いて中心窩と周辺部でテスト光と参照光の交代呈示を行い,ちらつきが最小となる強度を求め,その結果の違いから黄斑色素濃度を推定した。44名の被験者に対して実験を行った結果,黄斑色素濃度の平均値は0.389,その標準偏差は0.129という結果を得た。本研究で得られた結果から,同一被験者に対する色覚特性を測定することにより,両者の相関性を明らかにすることができる。

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© 2011 日本眼光学学会
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