視覚の科学
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原著
据え置き式および手持ち式ケラトメータの測定光配置の違いが角膜屈折力に与える影響
多々良 俊哉前田 史篤生方 北斗志賀 木綿子八百枝 潔半田 知也
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2023 年 44 巻 2 号 p. 30-34

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抄録

【目的】測定光の配置が異なる2種の据え置き式および2種の手持ち式ケラトメータを用いて,角膜屈折力の測定値について検討した。

【方法】対象は屈折異常以外に眼疾患の無い大学生189名(20.2±1.2[平均±標準偏差]歳)の右眼とした。4種類のオートケラトメータを用いて角膜屈折力を求めた。求めた角膜屈折力はパワーベクトル解析を用いて分析した。

【結果】各機種で測定した平均角膜屈折力はTONOREF IIが43.37,ACOMOREF 2が43.40,Retinomax K+Screeen(RMS)が43.38,Retinomax K-plus3(RM3)が43.49[D]でありRM3が有意に高値であった(p<0.001)。J0も同様にRM3が有意にプラス寄りの値であった(p<0.001)。J45はACOMOREF 2とRM3以外の群間で有意差があった(p=0.002~<0.001)。

【結論】ケラトメータの機種間の違いによって角膜屈折力に有意差があったが,その差は0.25 D未満であり,臨床上考慮が必要なほど大きくなかった。

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© 2023 日本眼光学学会
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