当科で手術治療を行った下肢末梢神経損傷患者9例の診療内容について調査した。初診時平均34.9歳,術後経過観察期間は平均5.7年であった。損傷神経は大腿骨骨折に伴う坐骨神経2例,膝複合靱帯損傷に伴う総腓骨神経2例,医原性5例 (脛骨神経外側枝1例,大腿神経2例,総腓骨神経2例) で,手術は神経移植5例,神経移行2例,腱移行2例であった。受傷後早期の総腓骨神経への移植では前脛骨筋MMT[3]まで回復したが,発症後5ヵ月・移植長10cmをこえると不良だった。大腿神経への閉鎖神経部分移行と後脛骨筋腱移行などによる内反尖足矯正は,成績が安定していた。下肢では,より早期の的確な診断と神経修復が望まれる。