抄録
オストメイトのQOL向上のために、ストーマ造設術前後のケアに関する説明・指導は重要な要因と考える。そこで、オストメイトが手術前後に受けたストーマケアに関する説明・指導における満足度、不満内容について調査、検討することで、患者満足度を向上する指導要因を見い出した。また看護師あるいはET/WOC看護認定看護師(現皮膚・排泄ケア認定看護師)の2群間で満足度に差があるか分析した。その結果、手術前、手術後、退院前、退院後外来を通じて、説明・指導への満足度は70%以上と高かった。不満内容に着眼すると手術前にストーマのある生活、装具、ストーマサイトマーキングについて十分な説明を受けなかったとの不満点があがり、手術後や退院前は、社会生活における情報、種々の装具紹介が不十分との不満点があげられた。ET/WOC看護認定看護師の説明・指導は看護師からのものよりも評価が有意に高く、特に手術後のオストメイトからの具体的質問に対する回答が評価されていた。しかし、一方で看護師・ET/WOC看護認定看護師ともに、忙しそうで話しかけられない、質問への的確な回答が得られないとの評価もあった。調査の結果から、ストーマケアの説明・指導には個別性をとらえた的確な対応が手術前から重要となり、説明・指導後にはオストメイトの理解度を確認しながら行うことが、満足度を高め、ストーマリハビリテーションを円滑に進める鍵となることが明らかとなった。