日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
原著
創傷・オストミー・コンチネンス看護研究活動の動向 医学中央雑誌にみるJAETの学術活動分析
前川 厚子伊藤 美智子小長谷 百絵
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1998 年 2 巻 1 号 p. 19-23

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抄録
 1988年から98年5月までの10年間に医学中央雑誌に取り上げられたJAETメンバーの業績を“著者名”により検索し、そのキーワードと内容から①創傷、②オストミー、③コンチネンス、④その他の領域に分類し、研究活動の動向を分析した。対象としたJAETメンバー数は139人(97年度会員)であり、1988年度から98年度までの名簿から名前と所属施設を確認し、コーディングした。
 検索文献の総数は833件であり、JAETメンバー94人(67.6%)による1件から最大82件までの業績を確認した。領域別ではオストミーが536件と最も多く、次に褥創と離開創のケアを含む創傷が152件(18%)を占めた。コンチネンスは12件(1%)で少なかった。そして、これら専門の3領域を含まないものは133件(16%)であった。高齢社会において失禁と褥創予防は専門看護職に課せられた二大テーマであることから、目的意識的に本領域の研究に重点をおく必要性が高い。
 医学中央雑誌に収録される文献は収集範囲が限定されているため、JAETメンバーの実績を全数網羅したものではない。しかし、CD-ROM情報は医療従者のみならず、他領域のコンピュータユーザーのアクセスを容易にしている。JAETメンバーは情報の発信源になるよう業績の蓄積をすると同時に、既存の業績を効果的に活用することが求められる。
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