日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
原著
褥創発生予測試作スケール(K式スケール)の信頼性と妥当性の検討
真田 弘美須釜 淳子紺家 千津子大桑 麻由美小西 千枝北川 敦子永川 宅和
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キーワード: 褥創, 予測, 尺度, 信頼性, 妥当性
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1998 年 2 巻 1 号 p. 11-18

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抄録
 筆者らが考案した褥創発生予測試作スケール(K式スケール)は普段危険度項目と引き金項目の2段階評価方式となっている。このスケールの信頼性と妥当性について、看護力強化型病棟に入院している高齢者で検討した。信頼性は、評定者間の一致率をみるために、看護者2名を対象に患者10名でのK式スケールとブレーデンスケールでの採点の一致率を比較した。予測妥当性をみるために患者107名を対象として、その感度と特異度を算出し、ブレーデンスケールのそれと比較した。その結果、K式スケールでは評定者間一致率は0.93 ± 0.07、ブレーデンスケールでは0.73 ± 0.14であり、有意にK式スケールの方が一致率が高かった。また、K式スケールの前段階得点の感度と特異度は88%、73%、引き金項目では100%、91%でありK式スケールの方がブレーデンスケールの71%と49%より高く、その予測妥当性が指示された。以上より、K式スケールは今回対象とした高齢寝たきり患者には臨床適応の可能性が高い。今後は対象を異なえた場合の妥当性を評価し、スケールの精選が課題となる。
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