日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
特別教育講演
行動分析学は医療とどう向き合ってきたか:セルフマネジメントの支援
鎌倉 やよい
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2017 年 20 巻 4 号 p. 383-389

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抄録

 看護学が実践の科学として、研究成果を実践に還元するには、看護診断学に対応する方法論としての看護ケアプログラムを開発し、標準化することが必要である。看護ケアプログラムには、身体に介入する技術と行動に介入する技術が含まれる。後者は、患者が自ら必要なケアを実施できることを目指すものであり、セルフマネジメントできるようにする技術である。
 これらの方法論のエビデンスを明示するために、ランダム化比較試験とは方向を異にした実験研究として、シングルケース研究法を活用できる。この研究法は、実験デザインを有し、3項強化随伴性に基づき行動を観察し、行動の前または後の環境をアレンジする介入条件を独立変数とし、行動データを従属変数として測定する方法である。
 具体例に基づき、患者行動のABC分析、独立変数と従属変数の決定、実験デザイン、従属変数の測定、効果の判定について詳述した。

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© 2017 一般社団法人日本創傷・オストミー・失禁管理学会
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