日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
原著
わが国の中高年女性尿失禁の頻度と自己対応に関する日本語文献の検討
喜多村 定子長弘 千恵津川 恵子
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2020 年 23 巻 4 号 p. 426-436

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抄録

 目的:失禁の多くは予防や改善が可能とされているが、軽視されがちであり、相談や受診につながることが少ない。そのため頻度や対応に関する文献も少ない。研究の目的は、尿失禁の頻度や自己対応の実態を明らかにし、予防や改善への取り組みに対する基礎資料を得ることである。
 方法:医学中央雑誌Web 版で1970 年~ 2018 年までの範囲でキーワード「尿失禁」「女性」「高齢者」「地域」にて日本語文献を検索した。その結果7,045文献が抽出された。このなかから、研究目的に応じた32文献を分析対象とした。失禁の定義別に有訴頻度と自己対応について分析した。
 結果: 尿失禁は対象者の主観的判断とし、定義は研究者により異なっていた。週に数回以上の失禁は、40 ~ 60 歳前後では14.0%、65歳以上では17.1 ~ 23.2%であった。自己対応では、パッドやオムツ使用など失禁時の対処が多く、相談・受診経験があるのは3.0%、骨盤底筋体操は、医学系大学の教職員等では11.4%であったが、ほかの対象者の実施者は、ほとんどなかった。
 結論:尿失禁の定義は一様ではないため、今後は、尿失禁の定義を定め、年齢層と特性を関連づけた研究が重要である。

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