日本プロテオーム学会誌
Online ISSN : 2432-2776
ISSN-L : 2432-2776
総説
ターゲット・プロテオミクスの最新動向と試料調製の重要性
松本 雅記
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 1 巻 2 号 p. 101-106

詳細
抄録

質量分析計の感度や速度,さらには分解能の向上によって網羅的なタンパク質同定・定量が可能となっている.しかしながら,現在の主流であるdata-dependent acquisition(DDA)による手法は技術的な制約から高深度の分析を多検体に対して行うことは困難である.近年MRMなどのターゲット・プロテオミクスの手法が確立され,ハイスループットに任意のタンパク質の正確な定量が可能になり,新たなプロテオーム解析基盤を提供しつつある.本総説ではターゲット・プロテオミクスを中心とした定量プロテオミクス技術の最新動向を紹介するとともに,その利点を生かすために最も必要な試料調製について解説する.

著者関連情報
© 2016 日本プロテオーム学会
前の記事
feedback
Top