日本プロテオーム学会誌
Online ISSN : 2432-2776
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総説
メタプロテオミクスとバイオインフォマティクス解析における課題
三浦 信明
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2021 年 6 巻 1 号 p. 17-27

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抄録

質量分析(MS)を用いたメタプロテオミクスは,海洋水,土壌,糞便,唾液などのサンプルに含まれる非常に複雑な微生物の分類と全ての微生物が発現する全てのタンパク質をプロファイリングするための強力な手法である.メタゲノミクスでは,サンプル中の微生物の分類と遺伝子のプロファイルを行えるが,メタプロテオミクスで実際に発現するタンパク質をプロファイルすることで機能的な知見が得られ微生物群が「何をしているのか」がわかる.ヒトの腸内細菌は1,000種39兆個と言われ,個人ごとの種のバラエティも非常に大きい.当然その解析は大規模にならざるを得ない.本総説では,腸内細菌のメタプロテオミクスを中心にその概要と,解析ソフトウェア,腸内細菌データベース,大規模解析に関する課題などについて最近の動向を概説する.

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© 2021 日本プロテオーム学会
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