日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
白色レグホーンと, 横斑プリマスロックおよび白色ロック間における一代雑種の利用性について
田名部 雄一佐伯 祐弌葛城 俊松
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1964 年 1 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

白色レグホーン (WL) と横斑プリマスロック (BP) 間, およびWLと白色ロック (WR) 間で一代雑種 (F1) をつくり, 親系統と共にその10週齢までの発育成績および初産後満1年間の産卵成績を調査した。
10週齢時の雌雄平均体重はWRが重く, WL, BPは軽い。WR(♂♂)×WL(♀♀) およびWL(♂♂)×WR(♀♀) の発育は両親の中間であった。WL, BPおよびその間のF1の10週齢時体重には有意の差が見られなかった。
10週までの飼料要求率はWL, BPは高く, WRは低い。交配種は一般に両親の中間になった。
初産日齢はWLは早く, BP, WRは遅い。その交配種ではWLを雄とした場合にはWLを雌とした場合よりも早くなり, WLに近ずいた。このことは性成熟には伴性遺伝子が関与していることを示す。
初産体重はWL, BP, WRの順に大きくなるが交配種のそれは両親の中間になる。
平均卵重はBP, WL, WRの順に重くなったが交配種のそれは一般にかなり重くなる。
初年度産卵数 (生存鶏平均産卵数および入舎平均産卵数), ヘンデイ産卵率とも, WL, BPは高いがWRは低い。WL, BP間のF1はどちらを父親として作成してもその間に差が認められず, また両親とほぼ同じ高い産卵性を示した。WL, WR間のF1は, 両親の中間より上廻る産卵性を示したが, WLを雄にした場合の方が雌にした場合よりもよい産卵率を示した。これらのこと, また著者らの以前の成績1)2)から産卵数を支配する遺伝子の一部は性色体上にあると考えられる。
この実験に用いた鶏種は純粋種であると交配種であるとにかかわらず就巣性は全く認められなかった。

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