日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
ヒナによる蛋白質価の測定方法の改善に関する研究
V. 体蚤白質蓄積量と体重増加量とから算出した蛋白質価の比較
吉田 実
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1976 年 13 巻 5 号 p. 197-202

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抄録
白色レグホーン種雄ヒナ6羽ずつの2群に, 蛋白質含量11%の飼料に, 0, 3, 6および9%の標準もしくは供試蛋白質を加えた試験飼料のいずれかを6日間与えた。カゼイン-アミノ酸混合物を標準蛋白質とし, カゼインと, 大豆粕, 魚粉およびDL-メチオニンからなる蛋白質混合物とを供試品とした。
試験の前後にヒナを殺し, 体内の水分, 粗蛋白質, 粗脂肪および総エネルギーを測定して, 飼料100gあたりの体蛋白質蓄積量を計算した。蛋白質価は, 7点傾斜比法により測定した。
体蛋白質含量は, 摂取した蛋白質の質および量に関係なく, ほぼ一定であった。体重増加量と, 体蛋白質蓄積量とから計算した蛋白質価は, 統計的には, 同一のものといえる。しかし, 増体量の測定誤差は, 体蛋白質蓄積量の測定誤差より小さかった。
6日間の定量法におけるヒナの体重は, 体蛋白質を示すものといえ, 飼料100gあたりの増加量に基いて算出する蛋白質価は, 体蛋白質蓄積量から算出する蛋白質価より利点が多い。
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