日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
ウズラ甲状腺の微細構造
江村 正一磯貝 岩弘トランラム ウェン
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1977 年 14 巻 3 号 p. 121-130

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抄録
サイオユラシル投与群を無投与群のウズラの甲状腺の微細構造について電子顕微鏡を用いて検討し, 濾胞上皮細胞の機能と形態との関連を追求した。
1) ウズラの甲状腺濾胞上皮細胞は, 一般の甲状腺上皮細胞としての構造を示し, 特異な微細構造は認められず, 円柱状細胞, 立方状細胞, 扁平細胞からなり, それらの間に移行型が認められた。
2) 正常対照群においては, 立方ないし扁平細胞が多く, サイオユラシル投与群においては, 円柱状細胞が多く認められた。
3) 投与群の濾胞上皮細胞の特微的なことは, 微絨毛の増生, 基底部における細胞間隔の増大と複雑化, 粗面小胞体の増加と内腔の拡大, ミトコンドリアの増加と大型化, ゴルジ装置の発達および中等度の電子密度を有する大型顆粒の増加などであった。
4) 以上の所見から, サイオユラシル投与により甲状腺の濾胞上皮細胞の機能は亢進するものと考えられた。
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