日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
蛋白質分離給与法におけるヒナの飼料蛋白質およびエネルギーの利用
横田 浩臣瀬川 敬
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1979 年 16 巻 1 号 p. 39-44

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抄録
白レグ雄ヒナを用いて, 飼料を蛋白質部分とエネルギー部分に分離してそれぞれ給与したときの蛋白質およびエネルギーの利用率について検討した。蛋白質として, 抽出大豆蛋白質およびミルクカゼインを用い, それぞれ蛋白質含量20%の標準飼料を対象として, 増体量, 飼料摂取量および蛋白質およびエネルギーの利用率を測定し比較した。2週間蛋白質分離給与法で飼育したヒナの体重増加量は, それぞれの蛋白質での標準飼料と差はなかったが, ミルクカゼインを用いた飼料群では大豆蛋白質を用いた飼料群より小さかった。分離給与群の蛋白質摂取量は両蛋白質とも標準飼料群の摂取量より少なかった。蛋白質分離給与群のエネルギー摂取量は, 大豆蛋白質の場合標準飼料より少なかったが, ミルクカゼインの場合は逆であった。蛋白質分離給与法による蛋白質たよびエネルギーの利用率は, 標準飼料に比較してそれぞれ大豆蛋白質の場合は89および90%, ミルクカゼインの場合は111および88%であった。以上の結果より, 蛋白分離給与法は鶏ヒナにおいて, 成長, 飼料摂取量およびその他の栄養学的研究において有効に用いられ得ることが示唆された。
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