日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
採卵用ウインドウレス鶏舎の飼養管理技術に関する研究
I. 冬季の換気方法が産卵および舍内温度におよぼす影響
目加田 博行今枝 紀明海老沢 昭二
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1983 年 20 巻 4 号 p. 259-266

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抄録

供試鶏は1981年4月ふ化の市販の卵用種1760羽と当場系統による品種間交雑種(ロードホーン)880羽の合計2,640羽で,32週齢(12月4日)から48週齢(3月25日)までの冬季を中心にした16週間試験を行った。
試験区分は,3.3m2当りの飼育密度が40羽で,換気方法として舎内温度が15°Cから25°Cを比例制御した区(40羽•15~25°区),同様な換気方法で飼育密度が60羽の区(60羽•15~25°区),飼育密度60羽で,15°Cから25°Cを比例制御し,15°C以下では換気扇を停止させた区(S-15~25°区),飼育密度60羽で,20°Cから27°Cを比例制御し,20°C以下で換気扇を停止した区(S-20~27°区)の4区とした。
産卵率,産卵日量については換気方法による差は認められず,卵重と飼料摂取量については舎内温度との相関が高く,40羽•15~25°区,60羽•15~25°区,S-15~25°区,S-20~27°区と舎内温度が高くなるに応じて,それぞれ直線的に減少した。なお,40羽•15~25°区の飼料摂取量は他の3区に対して有意に多く,飼料要求率も有意差はなかったが,0.1前後劣っていた。
換気方法による舎内温度の違いを排気温度の平均でみると,40羽•15~25°区11.2°, 60羽•15~25°区14.9°C, S-15~25°区16.1°C, S-20~27°区20.1°Cとなり,露点温度についても3.2°C, 6.3°C, 7.2°C, 10.8°Cと同様な傾向を示した。
舎内温度の垂直分布をみると,上下の温度差は40羽•15~25°区で4~6°C,他の3区では昼で8~10°C,夜で5~6°Cであり,入気口側の温度はやや低かった。また,このような温度差はケージの上段と下段の飼料摂取量に影響していた。
舎内における換気輪道としては,入気口から排気口に向って床に沿って流れる低温の空気と,鶏の発熱による温度上昇に伴って起る対流による二つの流れが主なものであった。

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