抄録
8.5か月齢の白色レグホーン若雌を用い,大量のトリブトファンを24週間にわたり給与し,その影響を調査した。対照区,試験区とも各12羽ずつ用い,前者にはCP 15.5%の市販産卵用飼料を与え,後者には市販飼料にL-トリプトファンを0.5%添加給与した。なお市販飼料のトリプトファン含量を測定した結果は0.16%であったので,試験飼料のそれは0.66%となり,これは要求量の655%に相当する.試験前の平均産卵率は,試験区で92,6%,対照区で93.5%であり,開始時体重はそれそれ1.66kgおよび1.73kgであった。
24週間にわたり体重の変化,飼料摂取量,産卵率,卵重,卵白重,卵白中のトリフトファン含量などを測定比較したが,いずれも期間によるばらつきはあるものの,両区間には全く差が認められなかった。以上の結果より,かなり多量のトリプトファンを長期間にわたって産卵鶏に給与しても産卵に悪影響を与えることはないと考えられた。