日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
長日あるいは短日周期下で育雛したウズラの卵巣発育の遅延
小林 真脇屋 裕一郎
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1996 年 33 巻 2 号 p. 112-117

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抄録

本研究は雌日本ウズラの性成熟に及ぼす日周期長の影響を調べるために計画された。10日齢のヒナを1周期の長さを21時間とする区(21H, 14時間明:7時間暗),24時間とする区(24H, 16時間明:8時間暗),27時間とする区(27H, 18時間明:9時間暗)及び30時間とする区(30H, 20時間明:10時間暗)の4群に分けた。20, 30, 40及び50日齢において,各区から9-10羽を無作為に選び,体重測定後屠殺し,卵巣重量と卵巣中の卵胞数を測定した。40-70日齢間に初産日齢と産卵率を調査した。40日齢時における21H区,27H区及び30H区の卵巣重量は24H区に対して有意に軽かったが,50日齢においては有意差はみられなかった。産卵率においては24H区が最も高く,最低の30H区との差は有意であった。これらの結果から,雌ウズラにおいて,卵巣の初期の成長は24時間よりも長い,または,短い日周期の影響をうけるが,この段階をすぎれば,代償的成長により性成熟の遅れを取り戻すと考えられた。

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