日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
全自動の平飼肉用鶏舎の開発
細谷 実
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1996 年 33 巻 6 号 p. 388-391

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抄録

わが国の採肉養鶏は寡占化,集中化が進み,一農場で100棟もの立派な平飼鶏舎が整然と並んでいる採肉業者が各地にみられる。これらの平飼舎は概ね軒高が低く,立体飼育鶏舎に改造する事は困難であると考えられてきた。本研究では,この平飼舎を活用する事を検討した。
既存の平飼舎は給餌,給水は全て自動化されているが,死鶏の発見と取出しの為に管理人が舎内に入らなければならない。死鶏の取り出しが自動化されれば全自動の無人鶏舎が実現する。ここでは,立体飼育装置で開発された床面の網目ベルトを使ってコンクリート床面から約80cm上部に網目ベルトを設置し,この飼育ベルトを超低速,または,間欠的に移動し,死鶏を自動的に取り出す方法を検討した。この方法の特徴は,管理人が舎内に病原菌を持ち込む恐れがない,人件費を大巾に節約できる,鶏糞と鶏体を分離できる,除糞機によって鶏糞を舎外に搬出して舎内の環境を良好な状態に保つことができる,薬剤を節約できるなどにあり,平飼舎の画期的な改造となる。

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