日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
鶏雛のふ化所要時間と雌雄比との関係
IV. 卵重の差異による雛のふ化状況について
一戸 健司太田 栄一郎真壁 俊雄鈴木 正三
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1972 年 9 巻 2 号 p. 70-78

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抄録

1. ロードアイランドレッド雄とロードアイランドホワイト雌の交配種 (ワーレン) の雛, 並びにロックホーンの雛においては, その卵重を無視したふ化所要時間別にみた性比には, 分散分析の結果前者では0.1%水準で, 後者では1%水準で有意差が認められたが, 一方白色レグホーン系統間交配種 (シエーバースタークロス288) の雛においては, その間に有意差が認められなかった。
2. 雌雄による雛のふ化時間を卵重別に比較すると, 一般にロードアイランドレッド雄とロードアイランドホワイト雌の交配種 (ワーレン) の雛, 並びにロックホーン雛の如くふ化所要時間別にみた雛の性比に有意差がみられる鶏種においては, 幾分標準卵重に近い個体では雌雄によるふ化時間の差異は小さく, 一方, 標準卵重に比べて卵重が大きいものや小さいものでは, その差異は幾分明瞭であるように思われた。
3. 白色レグホーン系統間交配種 (シエーバースタークロス288) の雛においては, 種鶏の月齢によって雛の発生状況には幾分その差異が認められた。すなわち, 雛のふ化時間は種鶏の月齢が進むにつれて雌雄ともに短くなっていたが, この点に関しては種鶏の月齢の他に産卵季節も関与しているものと思われ, また卵重の区分による雌雄のふ化時間の差異は, 種鶏の月齢によって幾分異なっているように思われた。
4. 以上の諸点から, 雛のふ化所要時間と雌雄比との関係は, 供試鶏種の差異によって可成り異ることが明らかにされた。

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