2022 年 2 巻 1 号 p. 2_9-2_16
目的:本研究の目的は,患者担当型から診療参加型への実習指導方法の変更が実習指導者に与える影響について調査するとともに,診療参加型臨床実習のメリット及び課題を検討することである。方法:対象は診療参加型臨床実習についての勉強会に参加した理学療法士27名とし,新たな方法で実習を担当することへの不安についてアンケート調査を実施した。その後実際に実習を担当した14名を対象に,同様の調査を行い,指導経験前後での変化について検討した。さらに,診療参加型臨床実習のメリット及び課題について自由記載にて調査した。結語:診療参加型での実習指導の経験は,指導者も多くのメリットを感じるとともに学生を担当することへの不安を有意に軽減することができると考えられた。診療参加型臨床実習が今後一般的となる上で現在は過渡期にあると言え,よりスムーズに臨床実習をすすめるために,しばらくは臨床実習施設,養成校双方の十分な準備と検討が必要と考えられた。