2024 年 4 巻 2 号 p. 2_18-2_25
目的:装具について,見学実習にて学びたいと感じる学習意欲と,見学実習にて実際に学んだ学習経験を整形外科施設に着目して調査することで,装具に関する学内教育と臨床教育の留意点を見出し,改善点を把握することを目的とした。対象と方法:対象は,専門学校理学療法学科1年生39名の内,整形外科の施設にて見学実習を終えた21名とした。調査には質問紙と自由記述の回答を用いた。統計解析は,質問紙の回答についてWilcoxonの符号付け順位検定を,自由記述の回答について計量テキスト分析のソフトウェアであるKH Coderを用いた。見学実習前後の理学療法学生の回答を比較検討した。結果:学習意欲と学習経験の乖離が認められた内容は,装具が必要かどうかを判断する能力,装具の適応判断と種類の選択に関する知識,装具の使用場面や衛生管理についてであった。結語:見学実習の学習意欲と学習経験の乖離が確認され,学内教育では学習意欲を,実習教育では学習経験を高める取り組みの必要性が高い可能性がある。