2024 年 4 巻 2 号 p. 2_64-2_69
目的:診療ガイドライン(CPGs)の活用を支援する臨床教育を受けた理学療法士(PT)のEvidence-based Practice(EBP)に対する態度を多面的に検討すること。方法:対象は,大学病院に勤務するPT2名であった。教育プログラムは,EBPの5ステップのうちの問題点の定式化,情報収集,批判的吟味,適応に沿った講義とワークショップであった。EBPに対する態度は,日本語版Evidence based practice attitude scale(EBPAS)を用いて,介入前後と介入から2年後に測定した。結果:2名のPTに共通した変化として,介入後の「新しい実践に対する開放性」に肯定的な変化を認めた。この肯定的な変化は,介入から2年後も維持された。結語:CPGsの活用を臨床実践に支援する取り組みは,特に「新しい実践に対する開放性」の肯定的な変化に寄与する可能性がある。