2024 年 41 巻 3 号 p. 227-231
背尺側骨片(DUF)を有する橈骨遠位端骨折34 例を対象として,DUF の関節面の骨折形態とDUF の術後整復位の関連を調査した.術前CT でのDUF の骨片径と関節面の骨折形態より,5 型[1 型:転位なし,2 型:背側関節包付着部裂離骨折,3 型:単独のDUF を有する,4 型:DUF と掌尺側骨片(VUF)の両方を有し,DUF 関節面が遠位橈尺関節(DRUJ)径の50%未満,5 型:DUF とVUF の両方を有し,DUF 関節面がDRUJ 径の50%以上]に分類した(DUF 分類).術後CT において,DUF の整復不良は8 例[DUF分類1 型:1/5 例(20.0%),2 型:0/4 例(0%),3 型:2/12 例(16.7%),4 型:2/8 例(25.0%),5 型:3/5 例(60.0%)]に認め,全例プレート鉗子による整復操作のみが行われていた.DUF とVUF の両方を有し,かつDUF の関節面が大きな症例では,掌背側方向への圧着のみでは橈骨月状骨窩の再建は困難であることが示唆された.