抄録
目的:理学療法(PT)プロセスの実践的な学習を図るため,疾患を有する方に対してPTプロセスを実践する新たな授業形式を試み,学習効果を調査した。方法:理学療法士養成課程2学年(3年課程)の健常学生27名を対象とした。また,協力者として,疾患を有する方2名を学内に招致した。学生を6班に分け,各班に教員を配置した。教員指導のもと,各班が協力者に対して情報収集,PT評価,統合と解釈,問題点抽出,目標設定,治療プログラム立案までのPTプロセスを実践した。効果判定のため,授業開始時と終了時に学生に対してPTプロセス理解度,ソーシャルスキル,PT 評価手技熟練度の評価を実施した。授業開始時と終了時の2時点で対応のあるt検定で比較した。結果:授業終了時にはPT プロセス理解度,ソーシャルスキル,PT評価手技熟練度のいずれも有意に向上した。結論:PT プロセスの学習には実践的な授業が有効であることが示唆された。