抄録
コロナ禍により,2022年7月から当院での臨床実習は「見学のみ」となった。この状況下でも学習効果を高めるため,「理学療法プロセスの理解」という目標達成を念頭に,臨床見学時に使用できる患者評価シートを作成した。評価シートは,A4 1枚で,疾患名,目標(短期・長期),問題点,現在の能力,治療介入の記入項目を設け,長期臨床実習中の学生1名に使用してもらった。評価シート導入後,学生の理学療法プロセスの理解度は向上し,指導者側も理学療法プロセスの理解の助けになると評価した。また,評価シートの作成時間は1時間以内であったため,ケースレポート作成と比べて,多くの症例の理学療法プロセスを経験することができた。評価シートを使用することで,見学時の視点が標準化されるだけでなく,学生の理解度も把握できるため,学生と指導者間でのコミュニケーションツールとして有用であり,理学療法プロセスの理解の一助となる可能性が示された。