2023 年 3 巻 p. 46-61
本稿では、日本のホスピタリティ産業における外国人材が、当該産業に従事し続けていくプロセスにおける異文化適応の様相を明らかにすることを目的としている。そのため本研究では、外国人材への半構造化インタビューを実施し、そこから得られたデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。その結果、日本語独特の言語行動の困難さ、日本人顧客への対応や、職場内における言語的な摩擦や心理面を示す人間関係構築の課題が捉えられた。これらの課題に対応するため、人間関係構築の工夫、当該産業での支えと,沖縄という地域からの支えを軸にして,役割やその場に応じて日本文化と自文化を組み合わせる異文化適応の様相が重要であることが明らかになった。本稿において、異文化における外国人材に関する示唆や、ホスピタリティ産業における日本語教育及び、当該業界への実務面での示唆が提示できると思われる。