観光マネジメント・レビュー
Online ISSN : 2436-5033
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最新号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 叢 瑋, 伊藤 央二
    原稿種別: 研究論文
    2026 年6 巻 p. 3-18
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年、日本ではスポーツツーリズム、特に観戦型スポーツツーリズムの推進が積極的に行われている。しかし、これまでの研究は主にホームファンの経験や行動に焦点を当てており、アウェイツーリストの視点は十分に検討されていない。本研究では、感情連帯理論を援用し、Jリーグにおけるアウェイツーリストがホームファンに対して抱く感情連帯と観戦意図の関係性を明らかにすることとした。2024年に実施した質問紙調査を通し、Jリーグのアウェイツーリストから222件の有効回答を得た。分析には、感情連帯を独立変数、観戦意図を従属変数、アウェイ試合観戦回数を調整変数としたPLS-SEMを用いた。その結果、対人的受け入れは観戦意図と正の関連性を示した一方、アウェイ観戦回数による調整効果は確認されなかった。これらの結果は、アウェイツーリストとホームファンの対人的受け入れを醸成することの重要性を示している。観戦型スポーツイベントにおけるアウェイツーリストとホームファンの相互作用の理解は、アウェイツーリストの観戦意図に関する知見を提供し、日本におけるスポーツツーリズムのさらなる発展に繋がると考えられる。
  • 資源と資本の不整合に基づく理論的枠組みの構築
    赤穗 雄磨
    原稿種別: 研究論文
    2026 年6 巻 p. 19-36
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    オーバーツーリズムの増加は、深刻な環境的・社会的圧力を生み出し、近年世界的な注目を集めている。しかし既存研究の多くは、地域限定的な事例分析に依拠し、具体的な対応策に焦点が当てられ、オーバーツーリズムの概念的定義は確立されていない。そして観光促進か規制強化かの二項対立を乗り越える構造的枠組みが欠如している。その結果、観光教育においてはビジネス志向の理論に比して、観光による問題の発生要因を説明する理論的手段が限られている状況である。これらの限界に対処するため、本研究は資源論の視座から、サービスドミナントロジックや観光経済学、観光社会学の理論を統合し、オーバーツーリズムを概念化する理論的枠組みをアブダクティブに構築する。そして促進と規制の二分法を克服しつつ、顕在化条件の特定と対策の体系化を目指す。本研究は断片化した研究分野を統合し、統一的な説明を提供する「資源―資本結合フレームワーク」の枠組みを提示する。この枠組みにより資源とディスタンクシオンされた資本を区別することで、オーバーツーリズムの負の影響をより体系的に理解・緩和する道筋を示し、責任ある観光に向けた教育の基盤強化に貢献する。
  • 持続可能な発展に向けた新たなアプローチ
    姚 旭東
    原稿種別: 実践研究論文
    2026 年6 巻 p. 37-53
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究は、日本のDMO(観光地域づくり法人)を対象に、プラットフォームの視点から現状と課題を分析し、DMO経営の改善に資するモデルを提示することを目的とする。本研究では仮説発見型の方法を採用するとともに、全DMOを対象に、アンケート調査を実施し、98団体から回答を得た。本調査では、DMOの設立目的、会員数、主要事業、組織構成、外部関係者との関係性、戦略、インセンティブ設計などの項目を取り上げ詳細に分析した。その結果、多くのDMOは適切な設立目的や多様な組織構成を持つが、資金面での余裕がなく、地域への様々なインセンティブが乏しいことが明らかになった。これらの課題を克服するため、DMOは限られた経営資源をインセンティブの強化に優先的に投入し、地域全体での協力体制を構築する必要がある。そして、構築された協力体制を以って、「地域の情報集約」や「商品・サービスの拡充」、「関係者間の連携強化」などを進めることで、ネットワーク効果を最大化する戦略が必要である。
  • 小山 聖治
    原稿種別: 実践研究論文
    2026 年6 巻 p. 54-73
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究の目的は、変革期にある日本の旅行会社(リアルエージェント)において、競争優位の源泉となるハイパフォーマーのコンピテンシー構造を質的に解明し、その理論的モデルを構築することにある。卓越した成果を上げる従業員10名への半構造化インタビューを実施し、グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。結果、彼らの卓越性は、①組織的支援の認知(POS)という心理的土台の上で、②内省的経験学習(REL)と③自律的職務動機づけ(AWM)が学習と成長の好循環を形成し、顧客やサプライヤーとのパートナーシップを築く④関係資本育成(RCC)と、課題解決のソリューションを共創する⑤コンサルティング的価値共創(CVC)という行動として発揮される、多層的かつ動的なシステムによって支えられていることが示唆された。本研究ではこのコンピテンシー構造を、顧客の課題解決パートナーとして価値を共創する専門家像を「関係性の職人」モデルと命名し、そのコンピテンシー構造の理論モデルとして提示する。本モデルは、業界における人材育成に対して、個人の暗黙知を形式知化し、新たな理論的・実践的指針を提示する。
  • 資源ベース論を基礎とする実証研究の系統的レビュー
    本田 路子
    原稿種別: レビュー論文
    2026 年6 巻 p. 74-92
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿は、ホテルに競争優位性をもたらすリソースとケイパビリティについて、ミクロレベル(lower-than-firm-level) に着目した研究についての系統的レビューである。38本の論文を対象として分析を実施した結果、研究対象とされているリソースとケイパビリティについては、組織の知識や学習能力、IT、そして特に近年では、環境保全活動に関するものが増加傾向にあること、また、これらがもたらすパフォーマンス(成果)については従業員と顧客の満足度及び客室の収益性が検証されていることが明らかになった。今後の研究の方向性としては、比較事例研究及びパフォーマンスに影響を及ぼすリソースとケイパビリティの複雑な相互作用を捉える研究への積極的な取り組みが必要であることが示唆された。
  • 池田 寛太
    原稿種別: レビュー論文
    2026 年6 巻 p. 93-114
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    グリーン人的資源管理(Green Human Resource Management:GHRM)は、環境意識の高まりとともに注目を集めている研究分野である。近年、世界的に観光需要が拡大し、各国でホテル業界の重要性が増す一方、ホテル業界は資源消費量が大きく、環境負荷の軽減が強く求められている。本研究は、ホテル業界におけるGHRMに関する文献を対象に系統的レビューを行い、既存研究の着眼点を整理し研究領域・分析視点の特徴を明らかにするとともに、研究ギャップを特定し今後の課題を提示することを目的とする。文献調査は、学術データベースScopusにおいて2015年から2024年に掲載された文献を対象にスクリーニングを行い、最終的に43編を分析対象とした。分析の結果、①調査対象区分の設定によって分析結果が異なる可能性があること、②調査対象者の基準に関して研究者間で統一的な合意が存在しないことが明らかとなった。さらに、先行研究を統合したフレームワークを提示し、ホテル業界におけるGHRM研究領域を構造化するとともに、今後検討すべき研究課題を可視化した。
  • 猪名川町の事例から考察する都市・農村融合型ワイン生産モデル
    西村 典芳
    原稿種別: 実践報告
    2026 年6 巻 p. 115-120
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿は、兵庫県猪名川町における住民参画型ワインづくりの実践を通じて、「まちワイナリー」という新たな地域型ワイン生産の枠組みを提案し、その意義と可能性を明らかにするものである。流通科学大学と猪名川町が連携し、町内農家3軒からデラウエア14kg、町外(川西市)農家1軒から2.06kg、シャインマスカットを町内2軒から4kg調達した。醸造は大阪の都市型ワイナリーであるフジマル醸造所に委託し、住民が企画・収穫・ラベル制作に関わったが、地名が示す範囲内にぶどうの収穫地(85%以上使用)と醸造地がないため「猪名川ワイン」とは名乗れなかった。この事例を基に、日本ワインの定義やシティワイナリーとの比較を行い、「まちワイナリー」の定義と地域振興への波及効果について論じた。
  • 重谷 陽一
    原稿種別: 学会報告
    2026 年6 巻 p. 121-122
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 大島 知典
    原稿種別: 学会報告
    2026 年6 巻 p. 123
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
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