抄録
航空会社の顧客評価には、客室乗務員のサービス提供が大きく影響する。客室乗務員の労働環境は長時間労働や
緊張を伴う業務など厳しい環境であるが、離職率は低い。本研究では、客室乗務員を組織内専門人材と位置付け、客室乗務員の職務と組織コミットメントの観点から、コミットメントの構造と形成について明らかにすることを試みた。先行研究に基づいて組織内専門人材のコミットメント構造と3つの関係を設定し、日系大手航空会社の客室乗務員を対象にインタビュー調査をし、3 つの関係について探索した。今後、探索した結果を仮説とし検証する必要はあるが、本研究の結果から、企業は組織内専門人材が到達すべき専門性ならびにその到達基準を示したキャリアパスのイメージを示す必要を示した。客室乗務員の役割を明確にすることで、自らの専門性をさらに深化・発展させ組織に貢献できる組織内専門人材を育成できると考える。