2023 年 2 巻 1 号 p. 18-23
【目的】サルコペニアの定義方法によりSARC-F の成績が異なる可能性がある。本研究は4 つの定義方法によるサルコペニアに対するSARC-F の性能を比較した。【方法】デイケア施設を利用する虚弱高齢者を対象に,SARC-F を含むアンケート,身体機能,体組成を測定した。サルコペニアは代表的な4 つの専門家グループの基準で定義した。各サルコペニアに対するSARC-F の性能は受信者動作特性曲線(ROC) 解析と感度特異度で比較した。【結果】各サルコペニアの有病率は,各定義方法により15.0%~51.0% であった。曲線下面積は0.717~0.792 で,感度は47.1%~70.0 % ,特異度は72.6%~81.6% であった。【結論】SARC-F はサルコペニア定義方法によりその性能が異なるものの,デイケアや通所リハビリテーション利用者などの身体機能が低い集団においては,安定して高い性能を発揮する。