2025 年 5 巻 1 号 p. 36-43
【目的】発達障害児の早期発見・早期支援が課題となっている中,幼児期から行動面での困難さを運動特性との関係性から明らかにすることは重要である。本研究では4歳児での関係性を探索する。【方法】4歳児52名を対象に行動特性(SDQ)と運動特性(MKS)の関係を調査した。【結果】SDQとMKSの関係については,男女ともに,多動/不注意の問題が両足連続跳び越しと正の相関を示し,情緒の問題が立ち幅跳びと負の相関を示した。向社会的な行動についても男女ともに,両足連続跳び越しと負の相関を示し,捕球と正の相関を示した。さらに,男児は,25m走と負の相関を示し,立ち幅跳びやボール投げとも正の相関を示した。【考察】保育場面では,活動の中で力強さ,タイミング,すばやさを取り入れることで,行動面での発達課題への対応が期待できる。