抄録
「目的」虚血性心疾患の治療法として冠動脈バイパス術(CABG)と経皮的冠動脈形成術(PCI)がある。多くの施設ではCABG 後の心臓リハビリテーション(心リハ)はプログラム化されているが,PCI 後の心リハは,現状にて実施されていない施設が多く,運動耐容能の報告は少ない。そこで本研究では虚血性心疾患患者の治療後の運動耐容能を評価し,PCI 後患者の理学療法介入の必要性を明らかにする。「方法」対象は福山循環器病院で2011 年1 月~2012 年10 月の間に労作性狭心症に対して待機的にCABG もしくはPCI を実施し,退院前に心肺運動負荷試験を実施し運動指導を行った患者171 例(年齢 67.2 ± 10.3 歳,男性 145例/女性26 例,PCI157 例 /CABG14 例)。患者背景因子,併存疾患,各検査項目,CPX 結果を診療録より調査し PCI 群,CABG 群で比較検討した。「結果」Body mass index が PCI 群で有意に高かった(p<0.01)。併存疾患は末梢動脈疾患,心大血管治療の既往(p<0.05)が PCI 群で有意に多く認めた。心臓超音波検査の左室駆出率に有意差は認めかった。AT 時の VO2(ATVO2)は PCI 群 9.9 ± 1.7vsCABG 群 8.5 ± 1.2ml/kg/min,AT 時の VO2/HR は PCI 群 7.2 ± 1.7vsCABG 群 5.6 ± 1.2ml/kg/min と PCI 群が有意に高かった(p<0.01)。「結論」PCI 群と CABG 群の運動耐容能は PCI 群が高値であったが, PCI 群でも著明な運動耐容能の低下を認めた。運動耐容能向上を目的とした理学療法介入が必要であることが示唆された。(理学療法の臨床と研究 22:7-10,2013)