抄録
急性期から亜急性期にかけ、呼吸器疾患の病態は刻々と変化する。近年、急性期からの呼吸器疾患に対する理学療法士の介入の必要性が唱えられる一方で、病態変化に合わせ、適切な時期に適切な介入をする必要性が高くなっている。特に急性期から亜急性期にかけ短期間で患者の病態が変化していく中、どのように病態変化を捉えるのか、治療方針、ケア内容に合わせ介入方針をどう共同していくのかといった対応が理学療法士に求められている。 本稿では呼吸器疾患に対する理学療法として排痰への介入に限局せず、急性期から展開するリハビリテーション介入として、理学療法士の介入に必要なポイントとして「肺気量」「Staringの法則」「炎症後変化」を中心に臨床でどのように捉えていくかを述べていきたい。また、最後に急性期からの理学療法士の介入がリハビリテーションとして成立していくために、どう関わっていくべきかを述べたい。