抄録
「目的」急性期病院における大腿骨近位部骨折症例の自宅退院の予知因子を明らかにすることである。 「方法」大腿骨近位部骨折症例 110 例を対象として、急性期病院から自宅へ退院した自宅群 17例と自宅以外に退院した自宅以外群 93 例に分類した。調査項目は、年齢、性別、骨折型、障害 高齢者の日常生活自立度、認知症高齢者の日常生活自立度、同居者の有無、介護認定の有無とした。2 項ロジスティック回帰分析を使用して、急性期病院における大腿骨近位部骨折症例の 自宅退院の予知因子を検討した。 「結果」急性期病院における大腿骨近位部骨折症例の自宅退院の予知因子として年齢が抽出された(判別的中率;85.3%)。 「結論」急性期病院における大腿骨近位部骨折症例の自宅退院の予知因子は年齢であった。76 歳以下の HF 症例は、地域連携パスを適応し転院するのでなく、急性期病院から自宅退院を目指すべきである。